(※この記事は2021.1.10に書きました)
皆さんこんにちは!岡山DJスクールのDJ DAIです。
今回は昨年11月にさせていただいた、DJ TAIJIのインタビューその②について投稿させていただきます。(ブログに起こすのが大変遅くなり申し訳ございません。)
インタビューその①についてはこちらの記事をご覧ください。(DJ TAIJI君の輝かしい経歴についてもまとめています!)
(※この記事は2020.11.1に書きました)皆さんこんにちは!岡山DJスクールのDJ DAIです。 先日、日本を代表する世界的DJ、DJ TAIJI君にインタビューをさせていただきました! [adcode] ht[…]
それでは【DJ TAIJIインタビューその②】どうぞ!
DAI:先生始められたのめちゃくちゃ早いですね!
DAI:じゃあもう20年くらい先生されてるんですね!僕、TAIJI君が日本で一番DJ教えるのうまいと思ってます!!ご自分でもそう思いませんか?笑
僕も先生を始めたての頃はまだバイト感覚で先生をしてたというか、まだまだ若いし、プレイヤーとしての活動もどんどんやりたかったので、「仕事」っていう感覚では向き合ってませんでしたね。ただ、DMCに出場したりするのを終えてからは、「仕事」としてとらえて、真剣にDJレッスンに向き合うようになりましたね。
2002年にDJ KENTAROさんがDMC World(※ターンテーブリストの世界大会です)で世界チャンピオンになってからすごく生徒さんが増えてびっくりしたんですけど、それが実は自分的にはちょっと負担で嫌でしたね(笑)一番忙しい時で、週3回のレッスンで、昼の2時から夜の9時くらいまで教えたりしてたんですけど、本音を言えばもっと練習する時間が欲しかったし、30分でも空き時間があったら練習したりレコード探しにレコード屋さんに走ったりしてました。不謹慎ですけど、生徒さん休んでくれないかなーとかも思ったりしてましたね(笑)
今はスクラッチやHIOHOPに限らず、ミキシングとか、ハウスとかテクノとかどんなジャンルの生徒さんでも教えてるんですけど、その当時はスクラッチだけのレッスンでそのくらいたくさんの生徒さんがいたので、すごいブームだったんだなと思います。
DAI:個人レッスン30分なんですね!思ったより短いです。僕教えてたら1時間があっという間にすぎてしまいます、、、
レッスンはあくまで「宿題出し」という感覚でやってます。たくさん課題を出しすぎても受け取る側もしんどいと思うし。次の時間の頭で答え合わせをやって、アドバイスして、できてたら次のステップへ、できてなかったら復習、、、という感じでレッスンを進めてます。
スクールって、生徒さんがDJに関することを「ちゃんとできる」ようにしてあげる場所だと思うので、1歩1歩、確実に生徒さんが階段をのぼっていけるようにしています。
ただ、生徒さんによってはもっとちょうだいもっとちょうだいって感じでいろいろと欲しがる人もいますね(笑)
だけどやっぱり確実にうまくなる人は、1つ1つの技をきっちり出来ておきたい!っていう気持ちが強い人が多いですね。
DAI:生徒さんはみなさんターンテーブル持ってるんですか?
なにも知識がなくてゼロの状態で来た人にはとりあえずコントローラーからレッスンしますね。ただ、「なにも知識はないけどスクラッチしていです」っていう人にはターンテーブルをおすすめします。
最初の体験レッスンは僕の中ではある種の面談で、いろいろを質問していく中で、この人はどんなことが好きなのか、どんなことがしたいのか引き出していく場ですね。ターンテーブル・コントローラー・CDJがあるので、なにが違うか説明して、あなたならこれがいいんじゃないですかって勧めてから指導を始めていきます。
DAI:すご、、、、(笑)めちゃくちゃ多いですね!!!
ほんとにこれまでいろんな生徒さんを教えてきたんですけど、生徒としては謙虚さってすごい大事だなって思いますね。
DJってやっぱりチャラいイメージがあって、モテたいとかそういう動機で来られる方も多いんですけど、それ自体はぜんぜんいいんですが、そういう感じの方は最初からオラオラな感じで向かってくる人が多くて正直かなりキツかったですね。そういう人には自分押し殺して教えてました(笑)EDMブームの時はういう人が多かったですけど、今はかなり減りました。僕のことを少しでも知ってきてくれる人はぜんぜんそんな感じじゃないんですけどね。
DAI:DJ ONO君はゼロから教えてそこまでいったんですか?
DAI:すごいですね!生徒さんがそこまでいってくれたらめちゃくちゃうれしいですね。大会に挑戦してくれるだけでも僕なら嬉しいです。
教えてもらい方にもいろいろあるんですけど。がっつり大会に勝つためのルーティーンの作りこみ方まで教えるか、入口だけなのか。DJ 松永は新潟のDJ COMAさんに入口だけ教わったぽいですね。
僕はそこまでがっつり指導してないスタンスです。バトルのルーティーンづくりとか踏み込んで教えるより、「自分でやった方がいいよ」っていうタイプなので。DJのプレイスタイルがどうしても同じ色になってしまうし、、、、でも、そこまで踏み込んで教えた方が優勝するレベルにまでいくのかなとも思います。でも最後はやっぱりその子次第な部分が大きいと思うので。どれだけ本気でやろうとしてるか、もっと言ったらどれだけDJに時間をさけるかとか。
僕はどっちかっていうと楽しんでもらえるようなレッスンをしてます。お稽古事っていうスタンスで来てくださっている方も多いですし。それはそれで全然いいと思ってます。
ただ発表できる場所がもう少しあればいいなと思いますね。今後はそういう場所を作っていきたいなと思ってます。
僕はよく生徒さんに、「質問がうまい人はうまくなる」って言いますね。生徒さんがいい質問をしてくれたら、僕も考えていい答えを返すことができるので。いい答えを引き出してくれるようないい質問をしてくれる生徒さんは絶対うまくなるかなっておもいます。質問上手ってすごい大事ですよ。
だから、ぼくはレッスンの中で、「何かここで質問とか疑問ある?」って生徒さんにしきりに聞きますね。あんまり何も考えてない人は、ないですって答えるし、そこでなにか絞り出してでも聞いてくる人はうまくなるイメージがありますね。そこでちょっとでも盗みたいとか、情報として知りたいとかいう欲ってすごい大事だと思いますね。
逆に言うと、レッスンに来てくれる生徒さんで弱いところってそこですよね。完全に受け身になってる人が多いです。
そこでちょっとでも自分から動いて、能動的にアンテナ立てる行為=質問だと思ってるので、そのきっかけを作るためにもしきりに質問するようにしています。レッスンを止めてでも聞いてます。
BEAT JUNKIESの企画で優勝した時はめちゃくちゃ増えてびっくりしましたね(笑)日本とLAって時差があるから、すごい朝方に発表されて、それからフォローの通知とかコメントがきまくって興奮して寝れなくなっちゃいました。(笑)
BEAT JUNKIESの皆さんのすごくいいところは、結果出した人をすごく取り上げてくれて、褒めたたえてくれるし、僕からじゃなくてメンバーの皆さんの方からフォローしたりしてくれるところですね。憧れのBEAT JUNKIESがほめてくれたりフォローしてくれたりしたのはすごいうれしかったですね。
(※レコードプールとは、サブスクで月額使用料を払うことでさまざまな楽曲がダウンロードできるDJ向けのサービスのことです。過去記事でいくつか紹介させていただいています。)
今回は、デジタルでの曲の探し方についてレクチャーします。 デジタルでの曲の探し方は、大きく分けて、 ①CDをパソコンに取り込む ②音楽ダウンロードサイトで購入する の2種類があります。 ①では、TSUTAYA[…]
ただ、それだけじゃなくてEDMや新譜のHIPHOPもありますよ。
DJ Cityなどほかのレコードプールを使ったこともありますが、そういうのとくらべてBEAT JUNKIESのレコードプールにはアンダーグラウンドのHIPHOPが圧倒的に多いですね。90年代、80年代のマイナーなHIPHOPとかもめちゃくちゃありますよ。そのあたりは他のレコードプールにはないことも多いのですごくいいなと思います。
BEAT JUNKIESはDJや音楽でビジネスとしてしっかりしたものを確立してますよね。今話したレコードプールもそうですし、アパレルもやってるし、DJスクールもやってるし。LAにあるDJスクールとか、ターンテーブルが20セットくらいならんでて、ほんとの学校みたいにたくさんの生徒が一斉に教わったりしてます。それだけ教わりたい人がいるってことがよく分かるし、LAにおけるBEAT JUNKIESの重鎮さかげんがよく分かります。みんなが知ってて、みんなが憧れる存在ですよね。やっぱり30年のキャリアってすごいなって思います。メンバー一人ひとりがしっかり独立して活動してるし、グループとしても長く続いてるし。DJグループが解散とかせずに30年続いてるのってほんとにすごいことだなって思いますね。
DAI:日本でいうダウンタウンとかとんねるずみたいな感じですよね。
BEAT JUNKIESと同じ、オリジネーターであるDJグループのエクスキューショナーズも、ビックタイトルをとってるDJはDJ Roc Raidaくらいで、ほかのメンバーはほとんどタイトルもってないですもんね。ただ、最初の頃からやってて、そのあと大きい大会でタイトルをとった後のDJにすごい影響を与えた功績っていうのはやっぱり大きいですよね。
アメリカはHIPHOPの地位とかDJの地位が日本より高くて、やってる絶対数も多いし、そういうところはすごくうらやましいなって思いますね。
あとはリスナー側も、アーティストにお金を払うことで、そのアーティストが活動できるっていうシステムをきちんと理解してるっていうところも大きいのかなと思います。
「音楽ってどうやって買うんですか」っていう質問めちゃくちゃ多いですよ。みんなAppleMusicとかSpotifyで音楽聞いてるから、「AppleMusi契約してるんですけど、その曲ってDJに使えないんですか」ってめっちゃ聞かれます。基本タダで聞けるから、「曲にお金を払うことでアーティストが活動できる」ってことまで想像してなくて、曲に対してお金を払うっていう感覚が全くない人が多いですね。
僕がトラックメイキングに魅力を感じなくなったのはそういう感覚があるからですね。曲を作って、売れるクオリティーまでもっていくのってすごくお金がかかるじゃないですか。高い機材買って、製品化のためにマスタリングして、スタジオ入ってエンジニア雇って、、、、経費削るために全部自分でやろうとするとさらに高い機材を買わないといけないし、、、その底なし沼が怖くて、トラックメイキングには魅力を感じなくなってしまいましたね。
2000年代とか90年代のHIPHOPとか今もかけられる名曲がいっぱいあるし。ただ今どんどん出されてるTrapとかが、5年後かけられて、ずっと残っていく曲っていうのが僕は今思いつかないですね。強いて言うならケンドリックラマーとかかな。
あとは、最近は90年代HIPHOPをサンプリングした新譜が多いのはおもしろいなとは思います。ただそれは自然というか必然というか、僕らが90年代のリアルタイムにいた時って、20年前の70年代のカーティス・メイフィールドとかの曲をサンプリングした曲がたくさん出てたんですよね。
2020年の今ってその感覚で90年代のHIPHOPをサンプリングしてるんだと思うと僕はぞっとしますね(笑)
僕が90年代のリアルタイムにいたときの70年代の曲って「古くさっ」って思ってたんですよ。いい意味では渋いともとってたんですけど。でもやっぱり「古い音楽」っていう感覚だったんですよね。たぶんほかのみんなもそうだったと思うんですけど。
今の若い人には90年代の曲にたいしてそう感じてるのかなって思うとかなり怖いですよね(笑)
僕がDJし始めの頃、DJ KENSEIさんのDJプレイについて本で読んだりしてたんですけど、KENSEIさんが、DJプレイの前半は90年代HIPHOPをかけて、後半になると70年代のDISCOをかけたりするって書いてたので、「あーやっぱりそうしないといけないんだ」って思って中古レコード屋さんに行って70年代のレコードとか買いに行ったりしたんですけど、結局よさが分からなかったですね(笑)今の若い子たちも90年代のHIPHOPに対してそういう感覚なんですかね(笑)
DAI:すごいです!!Ken-Oneさんと全く同じです!
後はDJ KIYOさんで「幅広い音楽性」と「スクラッチをちりばめることでオリジナリティを高めることができる」ということを学びました。
DAI:バトルDJとかスクラッチしてる人って、MIX作ったりとかあんまりしなくて、スクラッチに特化していく人が多いですが、TAIJI君はスクラッチ、2枚使い、MIXづくり、曲作りなど幅広くいろいろなことができるので、ほんとにすごいなと思います。
まとめ
DJ TAIJIインタビューその②はこれで以上となります。講師歴20 年、500人以上を教えた経験から、レッスンに対してのスタンスや、どのような人がDJ上達が早いかなど、貴重なお話をしていていただきました。また、今後の活動についての展望や、おすすめのレコードプール&アメリカのオリジネーターについて、さらに近年の音楽シーンについてもお話しいただきました。DJ TAIJI君本当にありがとうございました。
では、その③、最終話もお楽しみに!!