今の時代、地方に住んでいるからといって「音楽の情報が遅い」ということは、ほとんどなくなりました。
新譜がリリースされれば、地方にいても東京にいても、ほぼ同じタイミングで聴くことができます。
SpotifyやApple Music、YouTube、SNSを開けば、世界中の新しい音楽やDJ PLAYをすぐにチェックできる。
音楽の情報だけを考えれば、地方と都会のタイムラグはほとんどなくなったと思います。
ただ、その一方で僕が年々感じているのが、
「現場」に関しては、地方と都会の差がむしろ広がっているのではないか?
ということです。
コロナ禍以降、DJを取り巻く環境は大きく変わった
コロナ禍以降、DJやクラブを取り巻く環境は大きく変わりました。
僕自身、コロナ禍の時期に東京のナイトクラブへ行ったことがあります。
1000人近く入るような大きな会場に、お客さんが20〜30人ほどしかいない。
そんな光景を実際に見たこともありました。
そこから数年が経ち、クラブやDJを取り巻く環境、そして音楽の楽しみ方も大きく変化したように思います。
今では、わざわざ現場へ行かなくてもYouTubeやライブ配信などで、世界中のDJ PLAYを見ることができます。
好きな時間に、好きな場所で、好きなDJを見ることができる。
本当に便利な時代になりました。
でも、便利になったからこそ伝えたいことがあります。
映像で「見る」ことと、現場で「体感する」ことは全く別物です。
現場に行かなければ分からないことがある
例えばDJがある曲をかけた瞬間、
「なんでこの曲でこんなに盛り上がるんだろう?」
と思うことがあります。
画面越しでは、ただ人気曲をかけただけに見えるかもしれません。
でも実際には、
その街だから反応する曲なのかもしれない。
その年代のお客さんだから盛り上がっているのかもしれない。
前のDJからの流れがあったから爆発したのかもしれない。
歌詞やフレーズの意味に反応しているのかもしれない。
そこには、その場所にいないと分からない理由があります。
音圧、歓声、低音、お客さんの表情、フロアの空気、DJとお客さんとの距離感。
こういったものは、どれだけ配信の画質や音質が良くなっても完全には伝わりません。
だから僕は、DJをしている人ほど色々な現場を実際に体感してほしいと思っています。
地方にいるからこそ、県外へ出てみる
もちろん「都会の方が偉い」という話ではありません。
地方には地方の良さがあります。
ただ、ずっと同じ地域、同じクラブ、同じコミュニティの中だけにいると、それが自分にとっての「普通」になっていきます。
だからこそ、一度外へ出てみる。
東京、大阪、福岡でもいい。
県外のクラブへ遊びに行くだけでも、
「こんな選曲でも盛り上がるんだ」
「こんなDJの見せ方があるんだ」
「同じ曲なのに地方とは反応が全然違う」
そんな発見がたくさんあります。
それはMIXやスクラッチを何時間練習しても得られない、現場だからこそ学べるDJの勉強だと思います。
そして、今は東京だけではなく海外も面白い
先日、東京の知り合いと話をする機会があり、その中でバンコクのクラブシーンの話になりました。
バンコクは今かなり勢いがあり、街もシーンもまだまだ発展している。
そんな話を聞いて、改めて日本国内だけを見ている時代ではなくなってきていると感じました。
最近では、日本のDJが海外のクラブやイベントへゲストとして呼ばれたり、活動の拠点そのものを海外へ移したりするケースも見かけます。
少し前までは、
「地方で活動する → 東京を目指す」
というのが一つの大きなステップだったと思います。
もちろん今でも東京には日本の最前線の現場がたくさんあります。
でも、これからは
地方 → 東京だけではなく、地方 → 海外という選択肢があってもいい。
地方に住んでいるからといって、地方だけを見てDJをする必要はありません。
言葉が分からなくても、音楽は伝わる
海外の現場を体感する意味は、もう一つあります。
僕たち日本人は普段、日本語を中心に生活しています。
海外の曲を普段から聴いていても、歌詞の細かい意味やスラング、その曲が生まれた文化的な背景まで理解できていないこともたくさんあります。
でも海外の現場へ行けば、自分が普段聴いている曲が、現地ではどんなタイミングでかかり、お客さんがどこに反応するのかを実際に見ることができます。
そして面白いのが、
言葉が完璧に分からなくても、音楽で同じ瞬間を共有できること。
国籍も言語も違う人たちが、同じビートで踊り、同じ曲で声を上げる。
これはDJや音楽の大きな魅力の一つだと思います。
DJをしているなら、たくさんの「普通」を知ってほしい
地方で当たり前のことが、東京では当たり前ではない。
東京で当たり前のことが、バンコクでは当たり前ではない。
海外に行けば、さらに違う価値観や音楽の楽しみ方がある。
だからこそ、色々な場所へ行って、色々な「普通」を体感してほしい。
東京へ行く。
大阪や福岡へ行く。
そしてチャンスがあれば、アジア圏内やヨーロッパ、アメリカなど海外にも行ってみる。
外へ出れば出るほど、自分が今まで「普通」だと思っていたDJやクラブの価値観が、実は一つの世界でしかなかったことに気づくかもしれません。
DJスクールなので、もちろんMIXやスクラッチ、選曲などの技術も教えています。
でも、DJは技術だけではありません。
音楽を知ること。
人を見ること。
その場所の空気を感じること。
そして、自分の知らない音楽や文化に触れること。
これも全部、DJの勉強です。
今は地方にいても世界中の音楽を知ることができます。
だからこそ次は、画面の中だけではなく、実際の現場へ。
県外へ出てみる。
東京へ出てみる。
そして、その先の海外にも目を向けてみる。
そこで感じた「なんで?」や「すごい!」が、自分のDJの引き出しを増やしてくれるはずです。
音楽はネットで知ることができる。
でも、音楽が人を動かす瞬間は、現場でしか体感できない。
岡山DJスクールでは、DJの技術だけではなく、音楽を知り、色々な現場や文化に触れながら、自分自身の視野を広げていくことも大切にしていきたいと思っています。